花見川河口で男の世界 その2

さおりん「ギャーきもい」
さおりんは餌のイソメを見ても、釣れたウナギを見ても、その言葉しか発しなかった。


日は沈み、風はどんどん強さを増して、寒さもいっそう厳しくなってきた。俺達は四人で向かい合って寝袋に足を突っ込み、ビールを飲みながら他愛もない話を始めてまったりした。
山田が気を利かせて持ってきた固形燃料を燃やして、沸かしたお湯でカップ麺を頬張った。寒い中のラーメンは非常においしいし、ほっとする。
さらに、山田はおでんまで持ってきていた。これは心底うまかった!!まじでナイスプレー。
一通りマッタリすると、正直釣りはどうでも良くなってきた。そこで、投げて放置していた竿を取りあえず引き上げて、改めて餌を付け替えた後、またまったりでもしようと思い始めた。すると・・・・
あれ?竿が重いぞ?
・・・・・いや、重いというより、引いてるぞ!!
二匹目もウナギだった。さっきよりは小柄だったため(それでも50センチ近くある)、竿だけで持ち上げられた。
クーラーボックスに入ったウナギはこれで二匹目。ここらで、水を換えておきたい・・。


そこで俺と山田で波が荒いテトラポットまで降り、そこで、うねる海から水を汲む事にした。
捨てられていた発泡スチロールの箱で水を汲もうとするも、水の重みで大破。そこで、俺がテトラポットに寝そべって、ペットボトルで水を汲む事に・・・。
ペットボトルは口が小さくて、なかなか水が入らない。俺はそれで激しく手間取ってしまった。すると・・・、
山田「マーシーさん危ない!!」
急にビッグなウェーブがやってきて、もろにそれを浴びてしまった!こえーー!おかげで服はビショビショに。
寒い!!!
風がもろに吹き付けて、身も凍るような寒さ。寝袋に突っこみんぐ。
さおりん「眠ーい」
さおりんがもう一つの寝袋(寝袋は二つあった)に突っ込んで横になった。
俺「おじさんと一緒に寝よーぜー」
きもい(続く)