節分パーティー前編

ご無沙汰です。


この前の水曜日に遅まきながら節分パーティーをしました。
沖縄では基本的に節分なんてなくて、あっても学校の給食で豆が出るか、幼稚園で鬼のお面をかぶった先生に豆を投げるぐらい。
だから、サークルの一年目で『昨日ちゃんと豆投げた??』って話している人たちを見て、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。本当に家で投げてたりするんだね。
恵方巻きに関しては、千葉に出てきて初めてその存在をしった。他の沖縄の人たちはしってたのだろうか?
だから大学3年目なのにも関わらず、ちゃんと節分として儀式っぽい事をしたのは今回が初めてだった。
主催はモモヨットという、我が研究室3年生の一人。
・・・・・・・・・ちょっと本題に入る前に、脇にそらせてください。
このモモヨットって女は、ほんとに凄いヤツなんだぜっ!!!
この前、静かな研究室で一人でパソコンをだらだらカチカチいじってたら、突然ドアが開いて、モモヨットが後輩を二人引き連れて現れた。それもちゃんと3人隊列のように並んでいるのである。
そして、それぞれの手には、泥だらけになったスコップを握りしめているのだ。そんな3人が、ザッザッと俺の方にまっすぐ来るのである。
俺「は!?なになに!!?」
モモヨット「山里君スコップおかせて」
俺「あ?いいよ?」
すると3人はどかどかとスコップを俺の隣に立てかけた。なんだなんだ?サークルの何かか?しかもなぜ俺の隣?
俺「え、何があったの?」
モモヨット「穴堀してた。穴掘り大会」
モモヨットは満面の笑みだった。さも満足したかのような顔である。そして、残りの二人もそうだった。
俺「穴掘り大会・・・・」
モモヨット「そう、穴掘り大会」
・・・・穴掘り大会って、なに?
俺はそれ以上聞けなかった。もう一度『穴掘り大会』と言い残して去っていったモモヨット一行に、完璧に圧倒されてしまったからだ。まさに春の嵐のような女である。
そんな彼女の企画だ!行かないという手はない!!
俺はその日、サ館(部室の事)で目覚めた。前日急遽開かれたカラオケのオールで完璧に酔っぱらった俺は、西方と二人で寝袋で寝たのだ。
酒が抜けきれてなく、テンションはかなり下の方。
むかむかした不快感を感じながら研究室に向かった。既にサクとモモヨットとシンタロウの3人がいた。
ホワイトボードを見た。今日の会のプログラムが書かれていた。
Vol.2 節分プロジェクト
プログラム          備考
『豆リレー』
『恵方巻』・・・・・・・・・・南南東、無言
『お面』
『鬼ごっこ』
『二階から豆』
そして、その横には、メンバー全員の名前と点数表。
・・・・何じゃこりゃ?
『豆リレー』はわかった。机を見ると、お皿二つと豆と箸が置かれている。おそらく豆リレーは、一方のお皿につがれた豆を、お箸でつかんでもう一方のお皿に運ぶということだろう。きっとタイムで順位を決めたりするに違いない。
『恵方巻き』は南南東を向いて無言で食べるという事か。こっちはただの儀式としてやるのだろう。
鬼ごっこは・・・鬼ごっこか?点数ってどうやってつけるんだ?
『二階から豆』・・・?
『お面』・・・・?
この二つは俺にはわからなかった。
一時ぐらいに環境メンバー二人欠いて会が始まった。集まったのは俺、モモヨット、サク、シンタロウ、ゆやまん、荒谷さんの六人。
モモヨット「じゃあ、はじめに豆リレーをやります。」
ゆやまんが皿と豆を取り出して準備を始めた。
「じゃあ片方に豆を年齢の数だけ入れようか。どうせその数だけ食べるんだし」
ん?ちょっと待って?そしたら俺二個不利じゃない?
しかし、その場で皆それがいい的な流れになったので、俺は特に何も言わなかった。それに他にもサクも荒谷さんも、ヨット自身も一個増えるはずだし、その点は皆了承済みなのかもしれない。
モモヨット「まあ、ハンデだと思えば・・・」
なんのハンデなのか謎・・・
豆が器に注がれた。準備はできつつあった。
ゆやまん「じゃあ、年齢の若い順にやる?」
しかし、モモヨットの答えは意外なものだった。
モモヨット「え?いいけど何やるの?」
・・・・!?
ゆやまん「え?豆リレーなんじゃないの?箸でつかんでこう器から器へ・・」
モモヨット「豆リレーって、そういう事!?」
じゃあ、なんだと思ってたんだよ!
モモヨット「豆を箸で持って、走るんじゃないの!?」
・・・・・・・・なっ!?
モモヨットのお祭りが始まった
(つづく)