コンニチハ星人の逆襲 その2

前回までのあらすじ
コンニチハ星人である僕が地球に来てコンニチハ星人として生きて行く事になった。
決意編
でも、そんな僕より先に、僕のライバルとでもいうべき恐ろしい存在が、既に地球にやって来てたんだ。
その名も、『サヨナラ星人』
奴らは「さよなら」を広めるために、地球にやって来てたんだ。
奴らの星『サヨナラ星』は地球を中心として、僕たちの星とちょうど反対側にあるんだ。
そのせいか、性格も正反対。奴らは凶暴で残忍なんだ。
そして皆に、必ず悲しみをもたらす。
でも、僕はサヨナラ星人にかなり負けているといえる。
いろんなところにこの「サヨナラ」という言葉が出回っているからだ。
例えば「サヨナラ満塁ホームラン」。
あれはやつがナベツネにお金を渡したからに違いない。
演歌でも「さよなら」という言葉はやたらと多い。
「さよなら」「さよならがいえなくて」「さよなら列車」「さよならバス」・・・・
映画評論家の淀川長治だってサヨナラ星人だ。
それにくらべて「こんにちは」がタイトルになる歌のなんと少ない事か。しかも「こんにちは」、朝は「おはようございます」、夜は「こんばんは」と変化してしまう。
「こんにちは」いう言葉だけでは、「さようなら」という言葉の三分の一しか力を発揮できないんだ。
そう、今、「こんにちは」という言葉は、崩壊前のソ連のような、きわめて危機的な状況にあるんだ。
このままではいけない・・・。なんとか巻き返しをはからなければ・・・・。
僕は三日三晩、夜も眠らずに考えた。どうしたらいいのか。
そして、僕はとりあえず答えを導いた。
みんなにアピールするためにはより多くの人が見なければいけない・・・。多くの人が見るのは何がある?
テレビ?バラエティー?ニュース?スポーツ?スポーツ!
そうだ、スポーツの中に「コンニチハ」のつくルールを盛り込んでもらおう。いま、この国で一番見られているスポーツは・・?
そうだ・・・ナベツネのところに行くのだ。
そして・・・「コンニチハホームラン」というのを作ってもらおう!
こうして、僕はチベットに旅に出た。
つづく