コンニチハ星人の逆襲 その3

前回までのあらすじ
コンニチハ星人は、野球のルールに『コンニチハホームラン』を取り入れてもらうため、裏金問題で野球界を追われた陰のボス、ナベツネに会いにチベットに向かったのであった。
?激闘編?
僕は日本から助手を一人連れ、チベットの山奥にある寺院のラマ僧に、ナベツネの居場所まで案内してもらった。
ナベツネは、他のラマ僧たちとともに、木の車輪を作ったり、質素な生活を送っていた。まるでランボー2のオープニングのような生活だ。野球界という戦場に心底くたびれ、心休まる生活を求めた結果だろうと思った。
しかし、そのプライドだけはいまだしっかり残っているようだ。次々にラマ僧をしかりとばしている。だったら来なければいいのに・・
僕は高鳴る胸を押さえ、遂に交渉を始めたんだ。
僕 「こんにちは、僕、コンニチハ星人です」
なべ「コンニチハ星人?(無礼者ではないようだな)」
僕 「今回日本からここまでやって来たのは、愛のあるホームランの名前を提案しに来たからです」
なべ「愛だと?愛?」
僕 「ご紹介しましょう、『コンニチハホームラン』です」
なべ「コンニチハホームラン?」
僕 「そうです」
なべ(・・なんじゃこいつ?何の話をしているのかさっぱりわからんわい・・)
ナベツネは少し動揺しているようだった。
なべ「で、そのコンニチハホームランとは、いったいどういうものだね?まさかくだらない理由でもあるまいなあ」
僕 「はい。おそらくあなたは、多くの点差が一気に同点になる一打の事を、コンニチハホームランとでも言うのだろうと思った事でしょう。」
なべ「違うのかね?」
僕 「小林君」
僕は指を鳴らした。
すると日本からつれて来た助手、小林少年がプレゼンテーションボードを持って来てくれた。もちろんスチレン製ではない。僕はもちろん環境にも配慮しているんだ。
僕 「僕は、愛を好みます。そして、愛はよりおおくの場で発揮されなければならないのです。」
ナベ「・・・?」
僕 「私の提案するコンニチハホームランとは、それを打った事によって、ランナーとキャッチャーがホ?ムベースで感動的な再会が演出できるようになっているのです。」
なべ「う?む、なるほど」
僕 「普段は敵同士の二人が、このときだけは懐かしい親友に会えたような気分になるのです。」
ナベツネはうなった。しかし
「茶番はここまでだ!!」
僕 「誰だ!!」
僕は声の主を探した。すると、それはここまで案内してくれたラマ僧だったんだ。
ラマ僧「ふふふ。」
僕  「・・誰だ君は。なぜ日本語がしゃべれる!」
ラマ僧「フフフ、お前ならわかっているだろ?」
僕  「まさか・・サヨナラ星人!」
ラマ僧「なべさん・・こんな提案受け入れちゃだめですよ。」
僕  「なに!?」
なべ 「何だこの無礼者。何かあるなら言ってみろ」
ラマ僧「ではもしコンニチハホームランというのがあったとしましょう。すると、それではすべてのホームランが、コンニチハホームランという事にはなりませんか?毎回毎回コンニチハホームランと実況するのは大変ですよ?」
なべ 「むむむ・・・確かに」
ラマ僧「どうした、コンちゃん。何か言いなさいよ」
なべ 「コンニチハ君・・」
・・・・・・
ラマ僧「ほら!何も言えまい!」
僕  「・・アヒョヒョヒョあへあへ」
僕は思わずいつもの癖で、熱さで狂った花京院の笑い方をしてしまった。
ラマ「ど、どうしたこいつ、気でも狂ったか」
僕 「ご安心を。僕はその点も抜かり無く考えております。」
ラマ「なに!!」
なべ「まさか君・・すると、また何か秘策があるとでも言うのかね!?」
僕 「はい・・。」
ラマ「ふ、ばかばかしい・・。そんなのあるわけが無い」
なべ「こ、コンニチハ君、言って見たまえ」
僕は静かに口を開いた
僕 「確かに、このままではいいづらい。しかし、省略すればいいだけの話・・」
ラマ「ま、まさか」
僕 「コンニチハホームラン、略して、『ホームラン』とすればよいのです!」
なべ「な!?そ、その手があったか!!」
ラマ「完敗だぜ・・完敗しすぎてすっきりや」
僕は確かな手応えがあった。小林少年もうれしそうだ。サヨナラ星人は、さよならを三回言った後姿を消した。
その十日後、新聞にこんな記事が新聞に載った
『渡辺恒雄、読売巨人軍代表取締役会長に就任。』
終わり
補足:小林少年ノート
コンニチハ星人もその他の連中も、バカすぎて付いて行けない。
あ?もう、日サロ行こ。日サロ