【ネタ】中学の記憶はほとんど失いました

 

中学の思い出は、面白いものは何度も口で友達に話したりしたので、まるで平家物語のように口が覚えていたりするもんなんだけど、じゃあそれ以外はというと、ほとんど記憶が無くなっている。

友達からあの時はどうだったといった話をされても、僕だけ思い出せなかったりすることも多々あって、自分の記憶力の無さに悲しくなってくる。

 

もう5~6年ぐらい前だけれど、某SNSを通して、ある人からメッセージが入った。

 

 

 

 

 

 

 

差出人:棚原

件名     :  お久しぶりです!!

 

お久しぶりです!棚原(※仮名)です!!

覚えていますか?僕は今ネパールにいます!!

先輩を偶然見つけてしまい、懐かしくてメールしてしまいました!!

僕は中学の日々を忘れません!すごく誇りに思っています!!

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやらスパムではない。文の内容から言って中学の後輩のようだ。でも、棚原(仮名)というその名前に全く覚えがなかった。後輩にいたっけ?

それで、中学の後輩のことを思い出そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重大なことに気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は中学の時ハンドボール部に入っていた。だからそれなりに後輩はいたはずだった。

でも、いくら思い出そうとしても、その顔は暗く塗りつぶされていて、ただの一人も思い出せない。一応中学のアルバムには部活の集合写真があったはずだった。 でも、集合写真には顔は写っていても、名前までは載っていない。そして、その場にアルバムはなかった。

だから、とりあえず知っているフリをして、穏便にやり過ごそうと決めた。

 

 

 

 

 

送信者:俺

件名:Re:お久しぶりです!


おお!お久しぶり!もちろん覚えているよーー。。

あの日々は本当に大変だったな!

ネパールでも頑張れよ!

 

 

 

 

送信。当たり障りもない文。。願わくばこれで終わってくれ。。

ところが返信が返ってきた。

 

 

 

 

 

送信者:棚原

件名:Re:Re:お久しぶりです!


うわーー!!覚えていてくれたんですねー!!

本当に嬉しいです!あの日々は本当に大変でしたね!夜遅くまで。。

でも先輩がいたから乗り越えられました!僕は今でもすごく感謝してるんです!!

 

 

 

 

 

な、なんだこいつ。。めっちゃ俺を慕っているやんけ。。でも、彼が僕を慕う理由が全く思いつかなかった。

 

なぜなら、僕は三年の最後までずっと補欠だったから。

 

どう冷静に考えても、補欠の俺が慕われるのは考えづらかった。じゃあ、他になんかあったっけ?授業じゃ、後輩と接点なかったし、他に交流するイベントとかあった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうすでに4年に一度ぐらいしか思い出さない事項と化しているんだけれど、僕は中学の時、生徒会長だった。

 

なぜかわからないけれど立候補することになり、なぜかわからないけれど当選して、生徒会長に。

生徒会には後輩もやはり何人かいた(でもやっぱり顔も名前も思い出せない)。この棚原さんは、2年生の生徒会役員だったに違いない。そう考えると、僕を慕っている説明が付く。

 

思えば、あの一年間。。

あの時の僕は、最高に輝いていた。

そう、この棚原さんも慕うほどに、俺はキラッキラだった。。

たしか、いろんなことをしたはずだ。

 

 

 

 

 

何かのたびに、全校生徒の前に出て、いろいろ挨拶をした。挨拶文はこのブログの文章のような内容を発表して、毎回ドッカンドッカン笑かすことに命をかけていた。

 

 

 

 

 

 

そして、担任の先生の指導もあって、たくさん横断幕やらノボリを作りまくった。放課後夜遅くまで残っては、ペンキやら墨やらを布に塗りたくっていた。

 

そう、作りまくったなあ。。

 

えーと、それから。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、たしか、かなり白熱した議論をしたはずだ。
なんかの資料を持って、廊下を走ったりもしたような気がする。
あれはなんの会議だったのか?なんで走ったのか?
本当に(本当に)まったく思い出せなかった。

のぼり作りだけではなかったはずだ。それならただのノボリ職人だ。でもそうじゃなくて、どこかに今にはない、ギラッギラな俺がいたはずだった。そうじゃなきゃ、棚原が俺を慕うことなんて考えられない。

 

 

 

 

 

 

 

かなり恥をしのぶことになるが、僕らが何をやったのか、後輩に聞くことにした。

 

それは結構慎重にやらなければいけない。なぜなら、僕が当時を全然覚えていないってことがバレる可能性が高いからだ。ここまで引っ張って、覚えていませんっていうのは恥ずかしすぎる。

だから、しばらく考えて、慎重に返事を書いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

これで、やったイベントをすべては聞けずとも、ある程度印象に残った何かは聞き出せるはずだ。。そして、彼が俺を慕うなら、何かしらいいエピソードがあるはず。

しばらく待っていると、メールボックスにメッセージが届いた。

 

開いてみる。

 

すると、こんなことが書かれていた。

 

 

 

 

送信者:棚原


件名:Re:Re:Re:Re:お久しぶりです!


そうですねー、僕が一番印象に残っているのは、

先輩が焼肉屋で、鉄板でソフトクリームを焼いていたことですね!

あれは笑いました(^ ^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、何をしているんだ、10年前の俺は。。

 

いやいや、俺が聞きたいのはそんなことではない。そんなクソみたいな思い出話は全然要らない。

俺が聞きたいのは、棚原が心底惚れ込むような、もっと俺が輝いていた、ギラッギラにかっこいいエピソードだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

送信者:棚原

件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:お久しぶりです!


Yさん(副会長)かっこよくて、すごく頼りになったっす!!

先輩のおかしな感じと、Yさんのかっこ良さでいつも元気にさせられました!

 

「おかしな感じ」ってちょっと失礼ですかね(笑)


それじゃあ、お忙しいところやり取りしてくれてありがとうございます!

ネパールから帰ったらまたご連絡しますねー(^ ^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果、このやり取りで分かったこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この件以来、後輩からメール or 電話が来ても、「中学の記憶はほとんど失いました」で通してます。

 

というわけで。。

4年前にミクシーでメッセージをくれた方、また、先々月、山内真の電話を通して僕に連絡を取ってくれた方、

 

ホントごめんなさい。

 

いつか酒でも飲みましょう。