自分勝手なアドバイスを未遂

この間、大学の友人から電話があって、「このゴールデンウィークに沖縄に旅行に行くんだけど、半日だけ予定が埋まらない。見た方がいい場所ないか?」と聞かれた。

で、聞いてみると、すでにスキューバーダイビング、美ら海水族館、首里城などの予定は入っている。そして、空いているその日に泊まるのは那覇市。レンタカーは事情により借りれないらしい。俺に任せろと言わんばかりに、意気揚々と相談に乗ったが、はたと止まった。どこを紹介したらいいのやら。

那覇市に泊り、しかもレンタカーを借りれないのであれば、那覇市で観光したほうがいい。でも、那覇市の観光なんて、首里城や国際通り、平和通りを見ればだいたい済んじゃう気がする。
と、ここで日頃のわだかまりがフツフツと湧き上がる。国際通りのなにを見るんだろう?首里城になにを見る?どれもこれも観光客用に作られた人工物じゃないか!
地元に住んでいた身としたら、そうした沖縄人が沖縄人を演じるかんじの観光商業施設にすごい嫌悪を感じちゃう。それ偽物だろー!!って言いたくなる。

でも、そんな事言ったら、俺が京都に行った時に舞妓さんとか人力車とか見た時にすっごく興奮したり、北海道に行った時にアイヌの服を買おうか迷ったりしたのはなんだったんだろう。お客さんの身になったら、そんなの人工物じゃ~ってこだわりはどこかに消し飛んで、結局楽しんじゃうわけだ。

そんなことを考えていると、俺は観光客が沖縄になにを求めているのか、ぜんぜん知らねーんだなってことに気がついた。地元の人の立場から観光客になにを見てもらいたいのかってことと、観光客が見たいものとはぜんぜん違う。

僕は夏に沖縄に帰ったら、とりあえず雲を見ているだけでお腹いっぱいになる。あるいは石垣に生える植物の葉っぱだとか、咲き乱れる花だとか、そういったのを見ているだけで満足しちゃう。つまり、町中であれどこであれ、沖縄の至るところにある自然が大好きなんだ。だからもし、僕流に沖縄を楽しむアドバイスをするのであれば、「どこにも行かず、空とか海、草を眺めましょう」更に言うならば、「ただ、ぼーっとしとけ」ってことになる。

だから、彼らに、どこにも行かないでいいよ、って言いたかった。
ただ雲を見て、植物観て、海を見て、ぼーっとしてたらいいよ。海に石投げてもいいよ。砂浜に寝そべってもいいよ。なにも考えなくていいよ。
そんなこと言ったら、彼らはどんな反応示すんだろう?

とか、考えながら、普通に玉泉洞に行ったらいいよとアドバイスしました。

 

 

※玉泉洞は沖縄本島の南にあり、那覇市からだと車がないと行けませんが、本人たちがタクシーでの長距離移動も可能だってことがわかったので、そこをおすすめしました。