大山顕の講演

形を、目で見てそのまま捉えるのは難しい。
おとつい『工場萌え』で有名な大山顕の講演に参加した。
彼は全国の工場や団地、ジャンクションの写真を撮りまくって、それらを面白おかしく解説することで有名な人だ。
今回の講演も団地の鑑賞の仕方の解説等に時間が割かれた。スゴく面白かった。
講演全体を通して大山さんが言いたかったのは、つまりは『もっと形そのものを良く見ろ』ということだ。
例えば大山さんによれば、『団地』の写真を見たとき、昔のことを思い出してノスタルジーを感じてしまえば、もうその時点で『団地』そのものの形は見えていない。
他にも『これは現代社会をよく表している・・・』だとか、『現在の社会制度だとこの団地は・・』とか、変な理論をとなえだした時点でもう『団地』の形は見えていない。
団地は団地なのだ。団地だから、団地そのものを楽しまなきゃいけない。
そこには社会性もノスタルジーもへったくれもない。
それは形を見ることを邪魔する、ただのノイズでしかないのだ。
以前の記事で、人間が見ていることの大半は脳によって補完されたイメージだと書いたことがあった。あれを思い出した(←この知識もノイズ?)
入道雲
↑工学部1号棟屋上から眺めた夕暮れの入道雲