父方の祖父の介護の話

やる事たくさんあるのに全然集中できてないのでブログに逃亡。
今年は暖冬らしいけど、本当に沖縄は異常なぐらい暖かった。俺は27?5日にかけて、沖縄にいた。年末こそ多少寒かったが、元旦から5日にかけて、ずっと半袖で過ごしていた。友人曰く、初詣のときにかき氷まで売られていたというからビビる。
ということで、年始は親戚の集まり、高校の部活の同窓会という事以外は、すべて家でダラダラした。卒論に取り組むとか言っておきながら、ベッドにゴロンと横になってまんが読んだりネットを見たり。おおお・・・・何やってるんだ
ところが、年末はというと、意外と大忙しだった。
理由は父方、母方両方の祖父の介護。ここ一年ちょっとで、二人とも症状が急激に悪化した。


父方の祖父は両手両足が動かない。
その原因として今のところ考えられているのは、去年の11月の事故。玄関先で祖父は転倒し、右手首を骨折した。しかし、それ以降徐々にその他の手足も動かなくなってしまったのだ。
で、レントゲンで検査してみたところ、首の後ろの背骨のあたりの骨が、いびつに歪んでいる事がわかった。どうやら、このゆがみが頸椎の神経を圧迫しているらしく、それが手足の麻痺を引き起こしているらしいという事だった。これは以前から長い時間をかけてじわじわと進行していたらしいが、先の転倒の衝撃で、さらに悪化に拍車をかけた形になったようだ。
しかし、祖父は、頭の回転の方は非常にはっきりしている。それもかなり回転が速い。言い方は悪いけど、実はそれが意外と厄介なのだ。
まず、ベッドにじっとするのを拒絶する。どうしても椅子に座りたいという。当然暇だし、面白くないから気持ちはすごくわかる。
それで、なんとか車いすに乗せるが、今度は台所の椅子に座るというのでそれに移し替える。すると、しばしば椅子から滑り落ちてしまい、抱き起こしてまた椅子に座らせる。
で、こんなこと簡単にさらりと書いてるけど、実際は、スッゲーーー大変なんだぜ!!
そもそも、両方の手足が全く動かないのに椅子に座るという事は本当に無謀な事だと思う。特に周りの人々への負担は本当に大きい。たとえば、ベッドから椅子まで移動するには祖父を車いすに乗せなければいけない。すると、そこに祖父をベッドから立ち上がらせ、車いすに座らせるという作業が必要になる。
これが非常に危険なのだ。
座っている人を起き上がらせるためには、普通の人はまず腰を屈め、相手の両脇に自分の両腕を通して上半身を抱きかかえ、腰を使って相手の上半身を持ち上げるって事をすると思う。でも、こんな事を何回もしていると、確実に腰を痛めてしまう。
じっさい、一番接する時間が長い祖母と叔母はもう腰を痛めており(叔母は祖父母と三人暮らし)、正月にやってきた本土に住んでる別の叔母も、腰を痛めて家に帰ってしまった。
で、いま祖父を介護しているのは父と母、伯母さん、そして祖母の四名だ。ここで、一番頼りにされているのが父。たとえば、祖父が椅子から滑り落ちた時は、女性陣には誰にも祖父を椅子に座らせる力を持っていないので、父に起こしてもらうしかない。ここで父が腰を痛めてしまうと、祖父の介護がきわめて困難になってしまう。
どうしたら腰に負担をかけずに祖父を持ち上げられるのだろうか?
その答えを探るべく、父は頻繁に古武術のビデオや本を繰り返し読んでいた。どうも父にいわせると、日本の古武術には体に負担をかけないような動作がたくさん使われていて、それを看護にも応用できるらしいとの事だった。
さらに、腰をいためないようたくさん筋トレもしていた。去年あんなに筋トレしていたのは、実は祖父の介護のためだったと知ったのはこの時だった(去年の九月の『オヤジ・マイナーチェンジ』参照)。父があらためて努力の人だと感じた瞬間だった。
しかし、いくらオヤジ一人が鍛えていても、根本的な解決にはならない。他の家族にとって、介護の負担は依然重いままだ。このままでは、オヤジに頼りっぱなしである。
28日の晩、一通り父方、母方の両方の介護を終えて夜八時頃家に戻ってきた。心底疲れたーと思っている矢先、父方の祖母から電話が・・・。
父「今すぐいく」
車を15分飛ばし、首里にある祖父の家へ。祖父は台所の床に大の字に横たわっていた。また椅子から滑り落ちたようだ。
祖父を抱き起こし、椅子に座らせる父。それだけした後、また車で家まで帰る。
このままじゃ、父の身が持たない。
29日。家族三人(弟は実家に戻ってこなかった)で、頭を寄せて知恵を絞り合った。床に倒れた祖父をうまく抱き起こす装置を作れないものか、という事が大きな議題だ。
とりあえずメイクマン(DIYショップ)に行き、いろいろと材料を見ながらアイディアをしぼり合う。三時間の間、ずっと立ちっぱなしで話し合ったあと、小さな滑車と板を買う。そしてまた家に帰り、そのまま延々と話し合い。
結果、うまく滑車で祖父を吊るす方法を思いついた。
でもまあ、それがうまくいくにしろいかないにしろ、俺は親の介護って大変だなあとつくづく思った。
しかし、親を介護をする事について、特に考える事はないなとも思った。どんな病状であれ、親が介護を必要になったら、俺は両親が今やっているみたいに、全力でやってあげるだけのはなしだ。
心構えの最高のお手本を、見せてもらった気がした。