山内真が中国で散髪してもらった時の話

今月の4日、ブログでも書いたように山内真と海にいったんだけど、その時の彼の髪型はなんだか変になっていた。頭のてっぺんは短髪で側面は刈り上げた感じになっていて、まるでサッカー選手のチョン・テセのようだった。はじめは触れなかったんだけれど、しばらくして、「これは中国の美容室で切ってもらったけど、失敗した」と自ら語り出した。

ちなみに彼は中国語がペラペラで、私生活でも仕事でもまったく問題がないほど堪能だ。何年か中国に住んだこともあるし、中国の友人も多い。それでも、今回は大失敗をしてしまったのだそうだ。

一体何があったのか?今日はその話です。

 

彼は8月の中旬から終わりまで中国にいた。その時は髪が長かったんだけれど、日本に帰ったら彼女と結納をするつもりだったので、せっかくだから中国にいるうちに髪を切って帰ることにした。

なぜ中国で?と思う人もいるかもしれないけれど、彼は中国で何度も切っていて、ひどいところでない限り基本的に腕は悪くないらしい。そして日本で髪を切るよりはるかに安く済むのだそうだ。

それでも、一応iphoneに自分の希望する髪型の写真を入れて行く事にした。彼は前髪を少しアシンメトリーにして、右に流すような髪型にしたかった。言葉で話すよりも写真を見せたほうがイメージが一発で伝わって間違いがない。

ところが、その時入った美容室の主人は、iPhoneの画面をまともに見ようとしない。2秒ほどサラッと見ると、「オッケー、分かった」と言ってiPhoneを返してきた。

いくらなんでも返すのが早すぎる。本当にわかったのか疑問だったので尋ねたところ、美容師は「大丈夫、大丈夫」といいながら自分の左胸を指さした。そこには、「超級美容師」と書かれたバッチがついていた。これを誇らしげに見せて、「大丈夫」と言った。

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こんなバッチまで見せられて「大丈夫」と言い切るんだから、きっと大丈夫なんだろう。彼はこのまま任せることにした。

ところが、いざ始まると、頭の横の髪をバッサバッサ切り出した。明らかにここは切らないだろうと超級美容師じゃなくてもすぐに分かるような箇所だった。コレは明らかにおかしいんじゃないのか。ところが、なんか文句を言うような感じでもなかったので、iphoneを目の前の鏡台に立てかけて、美容師からこの写真が見えるようにした。

すると美容師が、邪魔だからどかせ、俺に任せろ、と言ってきた。

でも、一向に髪型が思い通りのようにならない。いづれは希望通りになるんだろうかと我慢して鏡を凝視していたが、そのまま希望とは程遠い状態で、終わったよ、と言われた。

それはまるで、一時期の蓮舫議員のようだった。裾を刈っててっぺんを盛った、台形をひっくり返したような髪型だった。真は愕然とした。

結納のための髪型が蓮舫になるなんて。。呆然としながら帰路についたが、鏡を見るたびに笑いと悲しみがこみ上げてきて、いや、やっぱりコレはナイだろ、と思い直した。この髪型は格好が悪すぎる。そこで、もう一度別のところで髪を切ってもらおうと心に決めた。あくまで中国で切るのははんば意地になっているところもあった。

でも、今度は切っている最中に最中に文句を言おう。黙ってひどい髪型にされるのはゴメンだ。

今回もiPhoneに写真を入れる。前に希望した髪型は、髪が短くなりすぎてもう無理なので、短めですっきりした髪型をチョイスした。

そして、今度は、前回切ったところのすぐ隣のお店に入った。

ところが、今回も、席に座って写真を見せたところ、2秒で「分かった」と言われた。

真はびっくりして美容師の胸元をみると、衝撃を受けた。この美容師も、あの例の「超級美容師」と書かれてたバッチをつけていたのだ。

なんなんだこのバッチ。胡散臭すぎる。。でも、もう座ってしまったので、今更店を出るのもためらわれた。

そこで、今回は切り始める前から鏡台にiPhoneを置いてみた。

すると、美容師が「おお、iPhoneじゃないか、本物なのか」と言ってきた。いや、そこではなく写真を見ろよ。

本当に大丈夫なのか心配しながら鏡を見ていたら、案の定、髪型がどんどんおかしな方向に進んできた。明らかに、目の前のiPhoneの中の写真とはかけ離れた髪型になりつつある。なぜ目の前に写真があるのにここまで違う髪型になるのか謎だ。もう我慢できない。これはもう、文句を言うしかない。

ところが。。

そこに、二人の別の美容師がやってきた。彼らは手にメモ帳とペンを持っている。すると、超級美容師が、真の髪を切りながら何やら講義を始めた。時々ハサミを止めて、指で真の頭をなぞりながら、「ここをこう切るのです」と語りだす。頷きながら熱心にメモを取る二人。なんとこの二人はこの美容師の弟子だったのだ。

コレは文句が言いづらい。

ここで真が「髪型全然違います」なんて言ったら、この先生の面目は丸潰れだ。いくらなんでも、お弟子さんの前で恥をかかせるのは気まずい。。でも、いや、やっぱり、指摘したほうがいいのでは、、といろいろ迷ったが、結局最後まで何も言い出せず、あのチョン・テセの髪型が出来上がって終了してしまった。

改めて目の前に置いてあったiPhoneを手に取ってみる。どう見ても、iPhoneの写真とは似ても似つかなかった。一体どこからこの髪型をインスパイアしたんだ?

それで、やっぱり文句言おうと思って美容師を見た。

そして、この時初めて重要な事実に気がついた。

この美容師自身も、チョン・テセと同じ髪型をしていたのだ。

「お前の好みやんけ!」と叫びたかった。
叫びたかったんだけれども、結局なにも言えず店を後にした。

結局最後まで何も言えなかったのさ。。

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この話を聞いて、真も日本人なんだなーと思いました。