ショウタとチャチャ

今日は作業があって一日家から出られなかったけれど、そのかわり実家の猫たちを観察することができた。

以前も書いた通り、僕の実家には10年ぐらいまえからショウタという猫(イラストの左)がいるんだけど、今年から新たにチャチャが加わった。チャチャは名前の通り茶色い猫で、今年のはじめに、突然うちにやってきて、親にまとわりついては「自分を飼って」とおねだりしてきた。はじめは飼うつもりはなかったが、結局根負けして飼うことに。チャチャのこの営業力は僕も見習いたいところだ。

でも古株のショウタとチャチャとの関係はどうなるのか、ちょっと気になっていた。

 

↑ショウタ

↑チャチャ

 

ショウタはもう人間で言えば50代後半に当たる年齢で、行動を見ていると老練な感じがする。とても落ち着いていて静か。そして、一つ一つの行動が注意深く丁寧な印象を受ける。それに比べて、チャチャは本当に幼く荒削りな印象だ。好奇心旺盛で、遊び盛りだからなのか、ショウタを見ると、なにかとちょっかいを出したがる。例えば、ショウタを見ると、彼の顔の匂いを嗅ぎ始めたり、後ろ足を手で叩き始めたりする。はじめはチャチャがショウタに喧嘩を売っているのかと心配したんだけど、どうやら、それは単に遊びたいがためにちょっかいを出しているだけのようだった。でも、ショウタはとっくに遊びたい年頃を卒業しているので、うっとおしそうだ。

やがて年老いたショウタが、若い男に力負けして、ヤラレっぱなしになるんじゃないかと心配になってきた。ショウタはすでに10年以上も我が家にいる立派な家族の一員だから、彼がいじめられるのならばチャチャをどこかに持っていくしかない、と思った。

ところが昨日、チャチャがショウタにちょっかいを出したところ、ショウタが急に唸り声を上げて、チャチャを睨んだ。チャチャはすくみあがった。テンションがガタ落ちして怯え始めたのが、人間の僕にもわかった。

チャチャはショックを受けたのか、すぐとなりに蓋を開けておいてあった僕の旅行かばんの中に入っていった。すると、何かの拍子に旅行かばんの蓋(?)がぱたっと閉まった。チャチャは驚いたようだったが、すぐにそこが自分専用のシェルターになったことに気がついたようだった。カバンの隙間から顔を覗かしてショウタを見た。ショウタはまだチャチャを睨んでいる。ショウタは首を引っ込めた。僕は笑いを堪えるのに必死だった。

 

ショウタはどんどん年をとって行動がおとなしくなってくるけれど、その反面人間にはわからないような凄みを身につけているらしい。ショウタは家でいつもあくびをして寝ているような印象があったが、彼なりの猫生を歩んでいるんだなと思った。