入道雲よこい

1.
早く夏が来てほしい。もうその準備はできている。

丘の上で入道雲を見上げて、見上げて、そのまま反り返って、ひっくり返って、芝生の斜面を転げ落ちたい。

 

2 .
高校か中学の時、創作ダンスの選択授業があったんだけど、僕は全く興味がなくて、むしろ誰がこんなのを取るのか不思議なぐらいだった。でも、それから10年ほど経つ間に何回かダンスを見て感動する瞬間があって、創作ダンスの魅力を知った。今ならどういう人が創作ダンスを取るのかわかる気がする。人の動きに感動したことのある人達なのだろう。

誰かが、小学生に絵を描かす前に、たくさん絵を見せた方がいいって言っていたけど、つまりはそういう事なんだろうなと思う。感動は人の心に火をつける。小学生が絵を見た方がいいのは、ただ表現の引き出しを作るだけじゃなく、絵を見て感動してその素晴らしさを知ってほしいからなんだろう。

そう考えると、たとえばそれを見て何が面白いのかわからない、感動出来ない、という事があれば、その人はそれに向いてないんだろう。それに対して情熱を燃やす事が出来ないからだ。でも、逆に、それに感動したからといって、必ずしも自分がそれに向いているとは限らない。自分がそれを見て、どこらへんに感動したのか吟味する必要がある。

なぜか知らないけれど、今日そんな事を夕日を見ながら考えていた。僕は夕日に感動していた。僕は入道雲にも感動する。でもそれをそのまま描いても、なんか違う気がする。どこに感動したのか考えるのは、なかなか楽しい。