かみなりさま

昨日締め切りに追われて焦っている時に、近くに雷が落ちて、鼓膜が破れるかと思った。すごく怖かった、完全にバケモノだ。

カミナリは今でこそ放電現象だって説明がなされて世界の常識だけど、ちょっと昔までは、庶民の間では神様の具現だと思われていた。
日本では、カミナリという言葉は「神鳴り」から来ていて、巨大な雷神が太鼓を叩き、雷を落とすとおもわれていた。雷のドーンという音は巨大な太鼓の音というわけだ。もちろんそんなことはないけれど、雷の音というのは、完全に人間の力を超越した音だ。ドーンという最初の音に続く、ゴロゴロという深いエコーに神秘の世界が垣間見える。

また、雷って高いところに落ちるというけれど、それは確率が高くなるという話であって、実際にはどこに落ちるかわからないと聞いたことがある。何かが起きることに期待する時、「神頼み」なんて言葉を使う。どこに落ちるかわからない、次に何が起きるかわからないってところにも、雷に神性を感じる一因になっているのかもしれない。

ほんとに科学の知識が無かったら、やっぱり神様のせいだと思っちゃうよね。俺なら思う。雲の上で髭面のおっさんが大暴れしてるんじゃないのかと考えてしまう。

一昔前の、雷がなるたびに人知を超えた存在を感じる生活ってどういう生活だったんだろう。雲の上の雷神が怒って雷を落としていると本気で信じる生活。

地面の中にナマズがいて、それが暴れることで地震が起きると本気で信じている生活。

ぜったい俺らより世界が楽しく見えていた気がする。