山里家の親戚めぐり

今日は昨日とは逆に山里家のおじーおばーたちと、山里家の親戚めぐりに行った(ちなみに昨日の母方は島袋家)。
山里家のおじーは島袋家と違って、家にトートーメー(仏壇)がない。
それは山里家のおじーが長男ではないからだ。本土の仏壇のことはよくわからないけれど、沖縄では基本的にトートーメーは長男が受け継ぐことになっている。
トートーメーを受け継ぐと、お盆のときにかなりの人数の親戚がやってくるようになる。その中には、ほとんど知らない遠い遠い親戚も来るようになるらしい。親戚間にとって、トートーメーの継承はとても重要な問題なのだ。
そのため、女の子だけの家庭になってしまうと、今のご時世になっても結婚のときにかなりの問題が発生することがあるそうだ。嫁ぎ先に30年間トートーメーを置いてもらったり・・。男を養子にもらおうとしたり・・・。
これで親戚間が険悪になったりする。沖縄の親戚同士のつながりはかなり強いのでなおさらたちが悪い。
親戚めぐりはいいんだけど、こんなので結婚が台無しになったらたまったもんじゃない。
沖縄の暗黒面のひとつだ。
母と車でおじーおばーを迎えに行った後、小録にある山里将盛(しょうせい)おじさんの家にいった。
山里家は大家とかでもなんでもないのにもかかわらず、名前に”将”がつく人が多い(もちろんつかない人もいる)。沖縄に来て、看板とかに”山里将”がつく名前を見たら、ほぼ間違いなく俺の遠い親戚だ。
ほかにも“屋良”“安和”には“朝”がつく。俺の友人“町田”にいたっては、代々“宗健”“宗吉”が交互につけられてるというからビビル・・・。
俺は仏壇の前に積まれたお歳暮の差出人の名前を見た。
将則、将徳、将善、将吉郎・・・・
おもしろい・・・・
山里家のおじーは、歩き方はよぼよぼで、右手が上がらない。しかもヘビースモーカー。しかし、頭脳だけはいまだに明晰。
俺「最近調子どうね?」
おじー「心は元気だけど体が動かん」
おばー「でも口はパクパクよー。批判精神が旺盛」
俺「批判精神!?」
おばー「もうテレビ見てたらしょっちゅう政治の文句言ってばかり。毒舌」
そう、おじーはほんとに毒舌。でも聞いててマジで受ける。ずっと一緒にいたらどうなのかわからないけど、とにかくうける。
考えてみれば親父も、俺も毒舌だ・・。これはよくない遺伝だな。
おばさんと話していると、毎年四月に、“カミウ—シーミー”と呼ばれる、県内の“山里将”さんが一同に集まる集会があると聞いて衝撃を受けた。
何すんだよ!総決起大会かよ!
もちょっと行ってみたいかも。みんな毒舌だったりして・・・。