恐怖の研究その8

今日特に書くことないんで、久しぶりに恐怖の研究でも書こうと思います。
そういえば俺読み返していて、ある重要なことを書いてないことに気がついた。
それは、ゾッとするタイプの恐怖には、『想像力』が必要だ、ということ。
恐怖の研究その2の『気付く恐怖』とか、その4の『予測とは違うという恐怖』、その5の『死の匂いという恐怖』も、想像力をかき立てられるところに恐怖があるわけなんす。
例えば『気付く恐怖』の場合・・・この時の『ベッドの下の包丁男』の話は、友人の女の子がベッドの下に隠れていた危ないおじさんに気付いて逃げ出すって話だった。で、この話の構成上、読者は後からこのときまで主人公(自分)が危険にさらされていたということや、それまでずっと包丁を持って隠れいる男の行動の異常さを想像させられて、ぞっとしているわけ。
また、例えば、家で飯でも食べているとき、こういわれるとどう感じるだろうか。
『もし、いま後ろを振り向くと、血まみれの女の人が立っていたら・・?』
こういわれると、怖いかもしれないけど、でも正直あんまりピンと来ないとおもう。なぜなら、女の幽霊と言われても漠然としすぎてピンと来ないし、想像しづらいからだ。
でもこれが、例えば心霊ホラー映画を見ているときや、深夜の学校で一人当直をしている時、あるいは一人で深夜の病院でバイトをしている時、後ろに血まみれの女の子、または自殺した児童、または苦しんで死んだ患者の幽霊が、すぐ後ろに立ってるかも・・・って考えると、うぎゃ?!ってなるよね。場所的に想像しやすいからね。
また、こんなところで、変な物音がしたら・・・。
・・・ごぼ・・っんごぼ・・・・
その物音の正体はなんなんだろう・・・とにかく不気味で少し怖いが、でも何の音か想像がつきにくい。
だが、もしここに、ある新米の医者がいたとしよう。
彼は今日この手で、遺族の頼みで一人の患者を安楽死させた。
その患者は食道癌の患者で、喉や鼻からいろいろな管を体内に差し込まれた上、声を一言も発せない状態のまま、薬の副作用で苦しんでいたのだ。
でも、彼には秘密があった。彼は重大な医療ミスを犯していたのである。彼は食道を手術しようとした時、彼は喉を切開したが何故か見覚えの無い管を開いてしまい、それが気管だと気付いた時はもうパニックになってしまっていらないところまで切ってしまった。結果チューブが何本も増えてしまうことになったのだ。
その影響で患者の体力も急激に衰え、手術が出来ないじょうたいになってしまい、結果この日を迎えてることになってしまった。
彼は一人病院に残り、自分の犯した素人級の痛恨のミスをひたすら悔やんでいた。
あの患者もおれがミスさえしなければ、あんなことにならなかったのだ。あの患者の無念そうな目はなんだ・・・。
とても悔しそうな目だった。言葉を発せない、こんな体にしたことに対する、憎しみに満ちた目。それはまるで、おれのミスを知っていたかのような、そんな目だった。
・・・おれのミスを知っていた・・・?
その時・・・かすかに物音が聞こえて来た・・・
・・・ごぼ・・っんごぼ・・・・
若い医者は、あたりを見渡した。ここは休憩室。
何の音だろう。
音は暗い廊下の奥から聞こえてくる。
入院中の患者が起きないようにするため、廊下の電気をつけてはいけない・・。彼は懐中電灯を持って、廊下の奥に向かった。
音は相変わらず聞こえる・・。
すると、廊下の中程まで来たとき、懐中電灯が消えてしまった。
医者「あれ・・?」
懐中電灯をたたいたけどつく気配なし。電池がキレてしまったようだ。
でも、ここまで来たから引き返す気にもならない。彼はさらに歩いていくと、音がどうやらある部屋からでていることに気がついた。
303号室・・・・・
・・・・・・・ここ、今日おれが殺した患者の部屋だ。
もしかして、この音・・・チューブの音じゃね・・・?
医者の体から、どっと汗が噴き出した。
これって、今日殺した患者の、喉のチューブからもれる空気の音じゃね・・・!?
恐怖に駆られた彼は逃げようとしたが、逆に勢いよく303号室のドアを開けた!!
彼は、あまりの衝撃に愕然とした!!果たして、彼が見たものとは一体・・・!???
(さあ、はやくだれかこの話のオチ考えてくれ!楽しいオチを待ってるぜ!)