20Q その1

この前の火曜日のお話。俺達研究室の日夕苑(ケアハウスの庭のデザインのプロジェクト)の班は、木曜日の中間プレゼンに向けて夜どうしわいわい準備していた。メンバーはTA以外の4人(年齢が高い順にキム兄、俺、サカセ、リッキー。TAも含めて全員歳が違う!)
すると、この前の日記『疲労困憊のときに無理矢理文章を書いてみる』にも書いたゲーム、20Q(トゥウェンティー・キュー)の話が出た。


ルールはその日記を読んでみて
俺「巷にそんなゲームが話題になってるんだぜ!人間じゃほとんど当てんの難しいんじゃない?」
じゃあ、実際にやってみようって話になった。まずは言い出しっぺの俺が頭に浮かべたものを、みんなが当てることにした。みんなは俺にジャンルを聞いた後、20個の質問をしなければいけない。
俺が思い浮かべたのは『メガネ』・・・・。
サカセ「じゃあ、まずジャンル聞くね。『それは、動物?植物?鉱物?その他?』」
俺「『その他』」
そこからみんなが次々と質問がしてきたが、俺は『はい』『いいえ』『ときどき』『わからない』の四つのいづれかからしか答えることは出来ない。
ここで、このゲームで一番難しいのは、答えの基準が俺にゆだねられているということ。
例えば、『それは、とても多いですか?』という質問をしたとする。すると、その基準はそれぞれにとってまちまちで、それが多いのか少ないのか、答えた人がどの基準で答えたのかを聞き手が考えなければいけない。
サカセ「それは、家で使われているものですか?」
俺「はい」
(俺:ふふふ・・・同じぐらい外でも使われているけどな)
俺の答えは、みんなの思考回路を煙に巻いていった。
いっこいっこの質問をしていっては、見当違いの解釈、推理を論じ合っていく三人を見ているのは快感だった。完全にS。特にキム兄の「もしかして、ご飯をつぐレンゲなんじゃない?」って言ったのには爆笑しそうになった。どういう根拠でそうなるんだよ!
質問が15個目になったあたりで、謎に包まれた三人はどの質問をすればいいのかわからなくなってしまった。
その頃になると、さすがに俺も少々退屈気味だった。だって、どの質問も多少はカスッているものの、いまだ確信に繋がるような点をついてきているものはなかったからだ。ハラハラも何も無い。
そこで、少しヒントを出してあげた。
俺「それはこの部屋にもあるよ」
サカセ(メガネを装着中)「この部屋にあんの!?」
リッキー(メガネを装着中)「え?どれなんだろ?」
ばかめ!!今お前らの文字通り目の前にあるもんじゃないか!!近すぎて逆に見えないのか!?
しかし、その直後であった。
キム兄「じゃあ、16個目。それは身につけるものですか?」
俺は青ざめた。これは一気に確信に繋がる質問だ。
なんて事だ!!
ってことは彼らはこの四人のうちの誰かが身につけているのも焦点をしぼってくるだろう・・・。すると彼らの考えがメガネに到達するのも時間の問題だ!しまった・・あんなヒント出すんじゃなかった!!
俺「・・・はい」
場が一気に盛り上がった。
サカセ「もしかしたらこれじゃね?」
サカセが自分のつけてるメガネを上下に動かしながらわらっている・・・。屈辱。
リッキー「『あ、『それはネジを使いますか』に当てはまる!ほぼ間違いないでしょ」
キム兄「いや、まだメガネじゃないかもよ。ここは細心の注意をはらおう」
キム兄はそんなこと言ってるけど、彼の顔は完全にメガネだと確信していた。やつはこれからどんどん範囲をしぼめていこうという魂胆に違いない。
まるで古畑任三郎に追いつめられた犯人の気分。蛇ににらまれたカエル。奴らは俺をいたぶる気なんだ・・。ぎゃー!
キム兄「それは上半身につけるものですか?」
俺「・・・はい」
サカセ「・・ていうか、顔につけるものですか?」
俺「・・はい」
サカセ「こりゃメガネで決定だ!ははは」
リッキー「ははははは!」
キム兄「ははははは!」
サカセ・リッキー・キム兄「ははははは!!」
うるせーーーーーー!!!
(続く)