隠れ里を見た

隠れ里・・・・
それは、何百年も前から伝えられている不思議な場所。山の中に誰も知らない里があり、そこには天狗や物の怪の類がすんでいる。そして人間がそこに意図的に行くのは絶対にできないという・・・・。
昨日、俺は日記を書いた後、脚本を書いてないという危機感がドンっときて、朝五時まで眠れなかった。ごろごろ転がって悶々としてはパソコンに向かうんだけど、一向に筆が進まず・・。
なんでだろ、もう全体の流れはできているのに・・・。
で、朝起きたときはすっかり睡眠不足になってたわけ。
今日はツタヤで何かの参考になるかなということで「ファイトクラブ」を借り、そのまま北谷に服を買いに行った。またまたドライビング。車の運転は楽しい。
しかし、最近しょっちゅう北谷とか嘉手納とかに行ってて、いい加減同じ道を行くのに飽き飽きしていた。
そこで今回はいつもと違って、浦西の方から県道330号線を突っ切って国道58号線にでて、そこから北上して行こうとおもった。
ところが、330を横断して西に向かって走ってると、まったく予期せぬ道に出てしまった。
県道36号線・・・・???
俺の乏しい脳内マップにそんな道など存在しないぜ!?
二車線なんだけど、路上駐車とか激しくて、しかも右折車も多いから頻繁に車線変更しなきゃいけない。俺みたいなペーペードライバーには恐怖以外何者でもない。こわ!
すると、次第に俺は間違った方向に進んでいることに気が付いた。俺は330に逆戻りしている・・・・。
俺の目指している58はまったく逆の方向なのだ。
マジかよ!Uターンしようかな・・。
そのとき天気雨が降り出した。「狐の嫁入り」の時になるといわれる、あれである。
この交通量と慣れない雨では、Uターンなどオーバー・ザ・キャパシティである。
結局ここはおとなしく330に合流して、そこからまた58にでる道を探そうとおもった。
しかし、いざ330にでてみると、俺の貧弱脳内地図には、かなり逆戻りして牧港の方から行くルートしか思い浮かばなかった、そうなると、3?4キロも逆戻りである。
バカな!なんて遠回りなんだ!
そのとき、小さな小道を発見。
狭い道を運転すんのはかなりいやなんだけど、もしかしたらここで早い段階で36に戻れるかもしれない!
俺は意を決して小道に突入、迷路のような道を抜けて、無事36に戻ることが出来た。
このまままっすぐ行けば58号線に出れるはずである・・。
しかし、バカな俺は、気づいたときにはなぜか左折車線に入っていて、そのまま左に曲がってしまったのだ。ばかか!
も?、何やってるんだろ俺・・・。なんでまっすぐな道をまっすぐ走れないんだよ。
天気雨も激しさを増すばかり・・・。
おらーーーー!!!!
こうなりゃヤケである。俺はもう一度右折して、未知なる細い道に挑むことにした。
すると、この小道が信じられないぐらい入り組んだものだった。まるで迷路。ぶっ飛び。
あるT字路では「左右両方とも行き止まりです」とか書いてあるし、曲がり角には進入禁止、一方通行のサインが乱立していた。
まるで樹海・・。
しかし、その奥をさらに進んでいくと・・・・
な・・・・!!!!!!
ここは、新町ではないか・・・・・・!!!!!
新町とは、沖縄でもディープな風俗街である。
かの有名な右翼的芸人鳥肌実も、「新町はいいところ」と絶賛していたという。
しかし、ここは本土の風俗外とはぜんぜん違う風貌をしている。その最大の特徴は、路上からそこの娘が見えるということである。
店一軒の外見は、沖縄で一般的な一階建ての平屋。玄関はスリガラスの引き戸。そこが開いていて、車の中から、玄関先に座っている女の子を見ることが出来るのである。
道は細いので、もちろん車は徐行している。
で、男がその人を選ぶと、引き戸を閉めて、その中で「行為」をするのだ(何するのかは、僕子供なのでよくわかりません)。
俺はかつて友人数名(男女混合)で、この新町を「見に」来たことがある・・・。
そのとき友人はどこからともなくこの狭い通路に車を滑り込ませた。
怪しく開いた引き戸の隙間からは、いろんなはだけた女の人が、ネオンの光に照らされながら座って、車の中でみている男を誘惑している。
網タイツから、中にはナース服までいるのでビビル。
そのときは、車内の女の子はキャーキャー言ってたけど、男性陣はだまってた。たぶん本気でどきどきしちゃったからじゃない?
そのまま迷路のような風俗街を車で抜けて、元のでかい道に戻ったときは、そんな怪しい感じは一切なかった。
まさに異世界。隠れ里。
この天気雨の中、俺はまたそこに足を踏み入れてしまった。
まだ昼間の一時半なのに、ナース服の天狗が玄関先から車内の俺を誘惑する・・・・。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・・
アビラウンケンソワカーーーーーーー!!!!!!!!!!
気が付いたら迷路を抜けていた。どうやって抜けたのかわからなかった。
また行こうとしても、俺にはどこにあるのか発見できないだろう・・・・
(↑ただどこにあったのか思い出せないだけ)