Asiaarowana(アジアアロワナ)は高校の同級生の山内真、平良修、喜名勇太が立ち上げるファッションブランド。昨日は都内のフォトスタジオで、コレクションの撮影が行われた。
でも、その話をする前に、ちょっと昔話。。
1.
このブログにもしょっちゅう出てきている山内真は、高校の時点で修、勇太と共にファッションブランドを立ち上げる夢を抱いていた。「アジアアロワナ」という名前も、確か当時にはすでに決まっていたと思う。
三人は卒業と同時に中国の清華大学へ。その後真はロンドンの名門University of the arts Londonに進みファッションデザインを専攻した。海外で過ごす数年間の間に、彼は中国語、英語を身につけ、中国の工場に強力なコネクションを持つようになった。
で、こんなことを書くとすごい人に見えるが、僕は基本的に遊んでいる真としか絡んだことがないから、正直今までピンときていなかった。だから、僕にとっては気負うこと無く話せる親しい友人だった。
2.
今月の27日。ついにそのブランドが産声をあげる。アジアアロワナの名前にちなみ、都内のアクアリウムショップで展示会を行うのだ。また、28日は別の会場で展示を行う。
23日と24日は、その展示会とwebサイトのオープンに向け、東京の青山霊園のとなりに建つフォトスタジオで撮影会が行われた。カメラマンは保坂達(とおる)。彼もまた高校の同級生で、今ではコマーシャルフォトの第一線で活躍している。ヘアメイクは資生堂で活躍する新城輝昌(テルゴン)、スタイリストは中真幸花。各界で活躍しているんだけれど、彼らもまた高校の同級生。モデルさん以外はみんな高校の同級生だった。
僕は山内真から遊びに来ないかと誘われ、二日目の昼からスタジオにお邪魔した。僕の仕事は普段家で一人で絵を描いているだけなので、日中ほどんど人に会わない。他人が仕事をしている様子を見る機会がないので、彼らの働きぶりを見学できたのはすごく新鮮だったし刺激的だった。カメラマンの達がアシスタントに指示を出しながら照明を作り上げていき、テルゴンはモデルの山岸ゆりはさんのメイクに没頭していた。
真は修・幸花と相談しながら服を選んでいたりはしていたが、時々時間を持て余して柿の種を頬張っている僕にところにやってきて、「いきなりこんなスタジオを借りて撮影できるってスゴすぎる!」だとか、「徹の写真の技術ヤバイ!」だとか、「テルゴンのメークの技術感動したわ!」だとか、とにかくテンションが高くて大はしゃぎ。挙句の果てに「モデルさんが天使すぎるだろ!!」と悶絶して隣にいた幸花に抱きついたりと、奇行と言われても仕方ない行動が目立っていた。
いやいや。だけどね。
高校生の夢想からここまでこぎ着けた、アンタら3人が一番すごいから。
そりゃテンション上がるよ。上がっていいよ。なんど幸花に抱きついてもいいよ。
相変わらず柿の種を食べていたけれど、僕の中にはリスペクトしか無かった。完全に、内部に火を付けられてしまった。
3.
この日は息子さんが発熱したせいで、3人のうち勇太は来れなかったんだけれど、前日に三人で写真を撮ったそうだ。僕は見せてもらったけれど、はにかみつつも笑顔が眩しい、本当にいい写真だった。
この三人で写ったのは、10年前に何もわからないまま清華大学に突っ込んで行った時に正門の前で撮った写真以来なのだという。10年の重みが、いいオーラになって現れていた。達が10年後も撮ろうと言っていたが、その時はどう映るのか今から楽しみだ。三人の10年後は、アジアアロワナの10年後を意味する。
アジアアロワナの冒険は、今始まったばかり。
僕はというと、この三人の10年越しの夢が実現しているところを目撃できたのに加え、みんなのプロフェッショナルな仕事ぶりを目の当たりにできて、信じられないほど刺激を受けた。僕はちゃんとプロと名乗れるのかと、ちょっとナイーブになった。あの見送りの那覇空港で「戦友」と言われた時の、困惑した自分を思い出した。
でも、実はアジアアロワナからボーンチャイナを発売することになり、そこに僕のイラストも使われている。僕もちゃんとここにいる。僕も彼らの夢の一部にちゃんと足を踏み込んでいる。他人の夢の一部になれるのはすごく気持ちがいいし、光栄だった。卑屈になることは何もない。
今後もお互いを刺激できる立場でありたい。僕だって負けていられない。困惑した自分にさようなら。
アジアアロワナとともに、僕もまだ始まったばかり。
アジアアロワナのホームページ