ハゼ釣り

ついこの間、ドラマーの羽野さんと荒川にハゼを釣りに行った。普段家にこもりきりだから、長時間野外で過ごすのは久しぶりだった。

午後3時過ぎぐらいから始めたんだけれど、その日は完璧な夏の日で、空はどこまでも青くて、雲がぷかぷか浮かんでいた。日差しは皮膚を刺すようだったけれど、風が強かったので、それほど暑いとは思わなかった。
でも、風が強いってのはあまり釣りには向いていなくて、棒ウキが横に倒れまくった。

僕はハゼ釣りをしたことがなかった。沖縄にはハゼの種類こそ多いものの、釣りの対象となるようなハゼはあんまり。しかも、本土では川で釣りをすること自体始めてだったので、とても新鮮だった。釣竿は羽野さんからお借りした延べ竿。リールのついていない竿を使うのも高校以来だ。

ハゼは釣れだすと入れ食いになるって話を聞いていたけれど、この日はかなり食いが悪かった。ここにも風の影響があるのかもしれない。しかもアタリ(さかなが餌を食べている反応)はあるのだけれど、なかなか引っかからない。普段はアタリがあった瞬間バシっと竿を立てて引っ掛けるんだけど、羽野さんが、これでもかというぐらい待ったほうがいいというので、そうすることにした。それで、ウキが完全に沈んで5秒待って、そこから合わせみたんだけど、それでも引っかからなかった。どうも餌を吐き出した後のようだった。簡単だと思っていたけれど、なかなか難しい。結局どのあたりで引けばいいのかわからなくなって、今度はウキが沈んだあと何もせず、しばらく放おっておいたら、20センチもする特大ハゼが釣れた。

日がちょうど頭上を通って、真正面に沈もうとしていた。太陽の光が水面に反射して、ウキが見づらくてたまらない。日差しで肌がぶすぶす焦げていくようだ。猫もたまらず草むらの後ろで休んでいた。

いよいよ西陽がやばいという時に、日差しがふっと和らいだ。みると、正面にまるで世紀末のような入道雲が沸き上がっていて、それが日差しを覆い隠していた。

足元を見ると、海が満潮になったからか、河口に近いここも水があふれ始めていた。

三日月が輝き出す頃に釣りをするのをやめた。光は消え去ったけど風だけが残って、とても涼しくて気持ちよかった。帰りは自転車で羽野さんと二人乗り。
夏。。
どのように料理したかはまた今度。