いやらしいキリン

 

今年2月に北海道の旭山動物園に行ってきた。
まだ氷点下10度近くある真冬で、辺り一面にパウダースノーが降り積もっていた。上野動物園では暑くてうなだれている様子しか見たこと無いシロクマが、ここでは信じられないぐらい元気で、2頭が激しくじゃれあったりしていたけど、
カバなど赤道付近に生息する動物のほとんどは、園の奥の暖かい場所引っ込んでしまって、見ることができなかった。

そんななか、キリンが2頭、普通に屋外のケージにいるのを見て、驚いた。

これがなんとも奇妙な光景だった。本来ならサバンナに住んでるはずのキリン。それが雪景色に佇んでいる。でも、それがなんとも言えず美しかった。

 

 

2頭は寒さを物ともせず、平気でケージ内を闊歩していた。時々、雪を美味しそうにモグモグしていたけど、寒くないんだろうか。
キリンのケージはサーキットのトラックのように、グルグル回れるようになっていて、僕がキリンを見始めた時は、2頭寄り添って、ひっきりなしに歩き回っていた。

しばらくたって、二匹が前後に並んで止まった。すると後ろのキリンが、クビを垂直に伸ばし、舌をニュルッと出した。舌はとても長く、先端は細く尖り、うねうねと動きまわって、なんともいやらしい。と、思っていたら、今度は頭を前のキリンの股下に突っ込んだ。どうも前のキリンは雌だったようだ。なにしてるんだこいつは。見物客の間でうわ〜ともきゃ〜ともつかない声がでた。中年の女性がアラアラと言っている。

すると、後ろのキリンが股下からクビを引っこ抜き、頭を垂直にした。。なんか、様子がおかしい。やつは唇をめくり上げ、前歯を出し、興奮したように左右に揺らし、よくわからない奇声を発しはじめた。
こいつ、にやけてやがるのだろうか。すごいイヤラシイ。もはやエロオヤジにしか見えん。。

となりのカップルが、きゃ〜っとはしゃいでいた。ちょっと腹が立った。