感情そのものを記録する装置って出来ないんすかね

なんか、感情そのものを記録するような装置って出来ないんすかね。
1)感情オンオフスイッチ
それは小型の装置で手のひらサイズ。表面はまさにiPodのようにホイールがついており、ホイールの真ん中は押しボタンになっている。そして、iPodと違い、本体の右脇に録音(録感情?)ボタンがついている。
 使用している人は常にイヤホンを付けている。これは音を聞くためでは無く、耳の中からセンサーで脳の血流を調べるのが目的だ。大脳皮質といった脳の中で感情を司る部分の血流や電気信号の状態を超高性能イヤホンと通して計測することで、感情を記録する。
逆に、特殊な音波を出すことで、感情を沈めることも出来る。例えば、会社で課長にこっぴどく怒られたとき、装置の感情停止ボタンを押せば一瞬で気分の落ち込みが消える。さらに、ハワイに行って気分のいい時の感情を再生すれば、怖い上司の顔を見ながらでも、常夏の楽園気分に浸ることが出来る。
 
2)そんなイヤホンとか面倒くさいことせず、もっと簡単にリモコンっぽいもので感情を記憶したりできないかな。しかも、それを他人で再生出来るとか!!
 例えば、ある主婦が、なかなか自分を相手してくれない夫に対して寂しい思いをしている時。その感情を記録して、夫に向かってピッとスイッチを押せば良い。夫は『ひ???ごめんよー寂しい思いをさせて』と泣いて詫びるだろう。
 例えば、なかなか反省しない殺人犯の場合。遺族が自分の感情の記録を、犯人の中で再生してやれば、自分の犯した事の重大さを嫌でも痛感してしまうだろう。
 バレンタインデーの告白の時も大活躍だ。自分の普段からの思いを、リモコンを通せば余す事無く伝える事が出来る。しかし、伝えすぎるのも問題だ。例えば男子が女子に告白する場合、下ネタ的な事も考えているようであれば一気に嫌われてしまう。感情にも編集が必要だ。
3)感情のデータ化時代
最終的に感情がデータ化され、ダウンロードが出来る時代が来てしまえば、世界はそれこそ劇的に変わってしまうと思う。
 まず、旅行なんてしなくなる。例えばキリマンジャロに登った時の感情と映像をダウンロードすると、もの凄い体験を自宅で出来る。キリマンジャロは富士山よりも2000m以上も高いので、例えば富士山に実際に登ったとしても、自宅で体験した以上の感動を得る事は出来ない。
 例えば、オリンピックの金メダルを取った時の感情を記録してしまえば、いくらかお金を払ってダウンロードするだけで、一生に一度経験するかわからないようなもの凄い成功体験ととてつもない達成感を感じる事が出来る。これは恐ろしい事だ。多分こんなのを配信しだしたら、どんな事をしてもそれ以上の達成感を感じなくなってしまう。オリンピック選手ならまだしも、一般市民の僕たちには、同等の達成感を感じるのはちょっと無理だ。これでは何の努力もしないうちに燃え尽き症候群になってしまうのではないか?
 逆に映画はすごく楽しくなるかも。例えば登場人物の感情をそのまま体験出来るようになる。すると、ホラーは嫌だけど、サウンド・オブ・ミュージックとか、メリーポピンズとかいった皆がハッピーになるような映画であれば、より映画の楽しさが味わえて、楽しくて楽しくて仕方なくなるに違いない。
 有名人のキモチシリーズ!とか言って、いろんなアイドルとか、俳優さんの感情のデータも出てくるかもね。松岡修造のデータを再生すると、常に熱くなってしまって、ヨッシャーヨッシャー言いながら人生を強く生きていけるような気がする。