負け犬の遠吠え

え?・・・お待たせしました。本編です。
ここ十年で二番目ってのは大げさかもしれないんだけど、とにかくぬか喜びだったんで、その話を書きたいと思います。
とりあえず今回の課題について簡単なおさらいをしておくと・・・
今回環境に優しいストリートファニチャーをデザインするという課題がでた。それで19名中上位10名は東京デザイナーズウィークに出品するということが決まっていた。これは課題であると同時に一大イベントであった。
だけど俺の方はというと、最近ますますデザインに自信がなくなっていて、さらにこの前自分をサーファーに例えた通り、課題から逃げるような気分になっているわけでやんす。
で、この前の7/1のエコストリートファニチャーの最後のプレゼンで、一発奮起でこの悪い流れを断ち切ろうと、もがき続けたわけなんすよ。このどん底のような状態を打破するためには、なんとかここでいい成績を出して、自信を手に入れたいと思ってたわけ。
それで何日も前から悩みに悩んで、ようやく当日の朝それを出してプレゼンした。すると意外に先生や院生に好評で、原先生には『もしかしたら、これ東京デザイナーズウィークに出せるかもしれないよ』とまで言われた。
それはそれは嬉しかった。
ていうか・・・・
めっちゃ嬉しかった!!!!
ここで東京デザイナーズウィークに作品が出品できれば、今まで弱気だった俺に新たな自信が湧いてくるだろうし、その功績は絶対将来役に立ってくるだろう。そして、何より、先生にほめられたのは嬉しかった。それは先生に認められたからに他ならない。一番偉い清水先生がプレゼンを見ていたわけじゃないのが心配だけど、原先生にあそこまで言わせたんだ、これで自信がわけないわけが無い。
俺は、遂に自信を手に入れたんだ。
俺は、遂に自信を手に入れたんだ!
これをもとに、どんどん成長していこう!負け癖を、勝ち癖に変えていくんだ・・!
大げさかもしれないけど、俺は将来に希望が見えてきて、これから頑張ろうと、自分を励ましていたわけ
で、一週間後の環境の授業・・・。エコデザインの第一次審査の結果が発表された。今回は19人が15人にしぼられる。つまり、ワースト4が落とされるってこと。
プリントが配られた。
・・・あれ、俺の名前のところに×がついている・・・。
原先生のところに行って、「これどういうことですか?」と聞いた。先生は「残念だったね」としかいわなかった。
授業の終盤、その日来ていたゲスト講師を囲んでビールを飲んだ。先生が『どうした・・?なんか悪いことでもあったか?』とかいって、俺のコップにビールを注いだ。俺はビールを何回も飲んで、
俺  「先生、おれ、なんで落ちたんですか?上位に入れなかったとしても、なんでワースト4位に入ってるんですか・・?」
先生はまともには答えなかった。
そこに清水先生(環境の大御所)が来て、俺の作品について聞いてみた。
先生はどの作品のことかと聞いてきて、俺は作品の名前をいうと、先生は苦虫をかみつぶしたような顔をして、「でもあれはねえ・・」といった。
清水先生は俺のプレゼンを見ていない。先週書いたとおり、俺はプレゼンボードにはほとんどいいたいことが書けなかったので、代わりに口で頑張って好評価を得た。俺ははっきり言って、俺の考えが清水先生にちゃんと伝わっているのか疑問だ。
・・・・負け犬の遠吠え。
帰り際、原先生が俺に言った。
原「でも、ただ一つ言えるのは、君のデザインはまだまだ荒くて、多分これから多くの試練を乗り越えなきゃいけないと思うよ。」
俺「解ってます。俺のデザインはまだまだだってことは解ってます」
そう、わかってる。わかってるからこそ、今回のぬか喜びは痛いんだ。手に入れかけていた自信も、跡形も無く消え失せてしまった。
夜中、小雨の中を『ムカつく!!ムカつく!!!!』と絶叫しながら県道沿いを走った。
俺はサークルで、今度の発表会で”デザイン統合部長”をつとめている。
19人中15名にも入れない俺がこんなのやってるよと自虐的な笑いが起きないわけが無かった。