コンニチハ星人の逆襲 その1

これは昨日の夜なかなか眠れなくて、暇つぶしにつれづれに書いたものです。もしよかったら読んでやってください。
コンニチハ星人の逆襲
?プロローグ?
こんにちは。僕、コンニチハ星人。見た目は人間だけど、これでも立派な宇宙人。『こんにちは』というのが大好き。そして、それが僕の生きがいさ。
僕は去年、コンニチハ星から地球にやって来た。コンニチハ星は地球から100万光年も離れた星。
え?そんな遠いところからどうやって地球にやって来たんだって?
かんたんさ。100万年かけて地球にやって来たんだよ。僕は今100万と2歳さ。100万年かけてやって来た、愛の使者なんだ。
100万年のあいだ、僕はずっと冷凍カプセルの中で夢を見ていたんだ。
それは人生の夢だった。
夢の中で、僕は暖かい家庭を持ち、大好きだった女の子と10万年も恋をした。
何度も文明が崩壊し、何度も僕は死んだけど、必ずどこかで女の子と再会し、同じ人生を生きて来たんだ。
でも、そんな僕の長い旅も、ある日突然終わりを告げた。
去年の夏の雨の夕方。僕は千葉県の四街道の田園の中に落ちた。
雨なのに夕焼けは見えていて、それはとても美しかった。
僕はその乱反射するオレンジ色の光を見つめながら、悟ったんだ。
ああ、いままでの事は全部夢だったんだ、って。
10万年過ごした女の子も、大切にして来た家族も。すべて夢だったんだ。僕は愕然とした。
でも僕は、それらの夢から、ホントに多くの事を学び、そしてもらった。悲しみも。喜びも。そして、大きな愛も。
今度は、僕が与えるばんだ。
筋肉や呼吸器系統は既に老化してしまったけど、冷凍カプセルのせいか、見た目はまだ若いまま。
僕はまだ行ける。
そして僕は、愛の伝導師、コンニチハ星人として生きて行く事になったんだ。
つづく